日本有数のウコンの産地・屋久島。屋久島での紫ウコン(ガジュツ)の歴史は江戸時代までさかのぼります。薩摩藩が屋久島に薩摩薬草園を設置し、栽培を独占管理したこと唐も重要な産物と認められていた事がわかります。その後もウコンは健康成分として人々に珍重されてきました。
屋久島の先祖たちが、「ヤック」「ヤック」などとかけ声をそろえ、力を合わせて船を漕いで、海洋活動を盛んにしていたからでしょうか、屋久島は古代の記録に「掖玖」「夜句」などの文字で登場します。そして「ヤク」とは山や海や野で採れる「薬」のことではないかともいわれます。また屋久島の楠川地区は、ガジュツ、樟脳、お茶(茶は日本に入ってきた頃は薬だと考えられていた)、ヨモギ、マクリ(海人草)、湯ノ花などさまざまな薬種が豊富なところです。楠川の地名は「楠(薬)のあるところ」との解釈もあります。楠川の人々が海や山への信仰を大事にして岳参りを続け、自然の薬種を大事に育て、異文化交流の歴史を盆踊りに取り込み、村の自治と仲間作りに取り組んできたことなどが、『楠川区有文書』に伝えられています。